2019年8月10日土曜日

学習会「介護保険と障害福祉サービス」

 
障全協みやざきは10日、宮崎県福祉総合センターで、「介護保険と障害福祉サービスを考える学習会」をひらき、県下各地から40人が参加しました。
 講師はこの問題のスペシャリストである雨田信幸・きょうされん大阪支部事務局長。
 雨田さんは、まず高齢障害者にたいする「介護保険優先原則とは何か」を説明。このなかで、2010年1月の自立支援訴訟団と政府との基本合意のひとつである「介護保険優先原則は廃止」を政府がいまだ実行していないことを示しました。
 その一方、脳性まひで重度の身体障害がある岡山市在住の浅田達雄さん(70)の、介護保険の申請がないからとして65歳の誕生日で障害福祉サービスを打ち切ったのは違憲・違法だと訴えていた裁判の全面勝訴の経過と判決内容を詳細に説明しました。
 雨田さんは、①障害者総合支援法は高齢期を迎えた障害者に充分対応できない、②介護保険制度は高齢者の実態に充分対応できないの2点を指摘しました。
 最後に雨田さんは、浅田裁判の画期的判決という新たな状況をふまえ、①介護保険関係者と障害当事者・関係者との連携、②自治体にたいする運動、③当事者を孤立させず支えるとりくみ、④国にたいして介護保険優先原則の撤廃を求める高齢障害者の介護保険優先の改善にむけた4つの具体的な行動を提起し、運動を呼びかけました。
 障全協みやざきの馬場洋光事務局長は、宮崎市在住の菊永基次さん(65)が、65歳の誕生日を前にした3月に介護保険認定申請をせず、現在利用している障害福祉サービスの継続・更新を求めたことに対し、宮崎市は、それを認めた経験を報告。「障全協みやざきに気軽に相談していただき、解決していきましょう」と呼びかけました。
 「わが施設にも高齢障害者がいるので、考えていきます」「65歳問題を知らせていきことが大事だと感じました」「障害者福祉だけがよくすることはないとの雨田さんの言葉に連帯の大切さを感じた」「社保協キャラバンで自治体の懇談を強めたい」「議会でもとりあげていきたい」などの感想が寄せられました。

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